破産者マップがダメな部分は以下の記事で指摘しましたが、擁護・容認する意見の中でも、”部分的には”正しいと思われる意見やアイデアもあるのも事実です。
個人情報ダダ漏れ!?破産者マップの何がヤバくてダメなのかを解説
本記事ではWEB制作者視点で破産者マップのコンテンツをどのようにすれば、合法で健全な運用が出来るかを書きました。
前提のルール
- 個人が特定出来る範囲の情報は取り扱わない
- 情報取得元からは利用方法を相談の上、許可をとる
- 会社概要もしくは運営者情報の記載
- プライバシーポリシーページの記載
個人が特定出来る範囲の情報は、名前と住所です。
上記ルールを守るだけで、個人情報保護法と著作権、人格権の問題はクリアします。
たったこれだけの事を破産者マップは怠ったが為、激しく炎上する事になったわけです。
破産者マップを作るとしたら~サイト概要
タイトルは仮に、ここでは真・破産者マップとでも名づけましょうか。
(厳密には破産事件マップ)
- サイトの目的
- 官報に記載された破産事件を統計情報として提供し、政府統計ポータルサイトe-Statや市区町村が公表する各種データ等と連携・分析したデータ及びコンテンツの提供
- メインコンテンツ
- 取り扱う情報には個人を特定出来る情報は含めず、法人や事業者の会社名、業種、破産事件の数、時期、地域のみのデータを整理し利用、絞り込める詳細地域は都道府県別、もしくは市までの範囲としたMAPの公開。
- サブコンテンツ
- メインコンテンツにより得られた統計情報を、就職率や家計消費情報、消費者物価指数など様々なデータと照らし合わせ、分析した情報の公開と情報に基づいた専門家によるオリジナル記事の配信。
この内容が何の役にたつかと言うと、破産数と地域の傾向や、その地域の就職率や離職率、消費傾向…etc、と合わせて見る事で、営利企業、教育機関等に有意義な情報の提供が出来ると思います。
例えば、破産事件が多く消費率が高い地域では、”お金の教育”に力を入れて取り組む事が重要性が高い事が分かりますし、時期データを比較した破産数の増減により、施策を行った場合の効果測定にも使えます。
営利企業としては、会社の破産数が多い地域や、業種が分かる事で、営業を行うのに不利な地域の選定材料になります。(破産している事業者が多いという事は、その地域での商売がうまくいかなかった事が予想される。)
特に実店舗を開くときは、地域差による消費傾向によって、期待した売り上げと大きく剥離する結果になる事があるので、材料にはなるかと思います。
勿論大前提に、官報やe-Statなどの情報取得元に、データの使い道と利用方法、ネット上への掲載について利用許諾を得なければいけません。
設置すべきページ
- 会社概要・運営者情報
- プレスリリース(お知らせ)
- 情報の取得元について
- 提供する情報の取り扱いについて
- プライバシーポリシー
- 利用規約
- お問い合わせ
- このサイトについて
- よくある質問
提供する情報の取り扱いについてのページや、このサイトについてのページ、利用規約(免責事項、禁止行為など)を詳細に書いておけば、サイトの存在意義や目的を利用者に把握してもらう事で、トラブルは減りますし、提供したデータの不正利用防止にも一定の効果が期待できます。
サイトのコンテンツ部分では、個人情報は取り扱わない構造だが、お問い合わせフォームでは、名前や住所、メールアドレスを必須項目にしていると、個人情報を取り扱う事になるので、プライバシーポリシーの明記は必須。
補足
個人の破産データで、浪費等による自己責任による破産か、詐欺被害などの自身に責任の無い破産理由等の内容も分かれば、更に実用性のあるデータとなりえます。
例えば、浪費での自己破産が多い地域では、義務教育期間でのお金の教育を徹底する事で、破産者を減少させる対策案が思い浮かびます。
犯罪や詐欺被害が原因での破産者が多い地域では、警察と連動した注意喚起や防止策を強化する事で、犯罪発生率も減らせるうえ、破産者の減少も見込めます。
但し、破産理由というのは思いっきりプライバシーに関する事なので、そのデータの利用は無理でしょう。(そもそも官報には破産に至った理由までは書かれていない。)
あとがき
個人を特定出来る情報を使わないので、全然元の破産者マップとは別物に成り果ててしまいますが、官報の公表情報を利用するという点においては同一です。
視点を変え、法律とモラルを守ったサイト制作を心掛ければ、同じ情報取得元を利用したサイトでも、こういった健全なサイトも作れますよというお話でした。