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雑学 公開

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個人的にはキャッシュレス肯定派の人間ですが、各店舗や企業が用意している電子マネーカードの種類が煩雑に増えている現状には反対です。

一番理想的なキャッシュレス社会というのは、銀行が全てVISAの様なデビットカード化し、どのような店舗・交通機関でも全てそのカード一枚、もしくはアプリで決済が出来る形です。

そうなると給料の振込みから使用方法に至る全てが、完全キャッシュレス化になり、引き出す手間も掛からないし、手数料の負担も無い。

理想の形になるには、まだまだ問題が山積みですが、なるべく速く世界に追いついて欲しいと思っています。

キャッシュレス化の現状

最新のデータは見つからなかったので、経済産業省が公開している少し過去のデータを引用します。

キャッシュレス動向

2015年では、日本のキャッシュレス決済比率は18.4%となっており、近隣国である韓国の89.1%には大差をつけて遅れています。

2019年時点では各企業の電子マネー導入の動きやpaypay等の登場により、少しはキャッシュレス比率が上昇しているようですが、まだ40%未満です。(現実的には20%~25%あたりかと)

国内が40%である根拠としてはキャッシュレス・消費者還元事業の資料、キャッシュレス・消費者還元事業PR資料内の成果目標に以下の記載がある事。

本事業の効果も含めて、2025年までに民間最終消費支出に占める
キャッシュレス決済比率40%を実現します。

但し、2019年10月の消費税増に合わせて、事業者向けへキャッシュレス・消費者還元事業を始める事から、政府が重い腰を上げて本格的に対策して行くこととなるようなので、これからキャッシュレス化の速度は上がっていくことでしょう。

既に仮登録申請が2019/03/12~2019/03/20の間、開始しているので事業者の方は要チェックです。

出典:経済産業省ウェブサイト
https://www.meti.go.jp/index.html

出典:「キャッシュレス・ビジョン≪要約版≫」(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-2.pdf

出典:「キャッシュレス・消費者還元事業PR資料」(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2019/pr/ip/shosa_08.pdf

キャッシュレス化のメリット

  • 現金を持たない事による犯罪の減少。
  • キャッシュフローが明確になる。
  • 決済方法の確立による、労働への影響。
  • 決済方法の確立による、企業の人件費削減、効率化。
  • 日常での店舗利用時のロス時間が減る。
  • 財布を落としても資産が減る危険が減少する。
  • お金のやりとりがスムーズになる。

現金を持たない事による犯罪の減少

現金を持たない事で、空き巣やひったくりや強盗、強盗殺人、スリ等の被害が減る。

多くの犯罪者はサイバー犯罪に移行するにしても、技術と知識が必要な為、上記の様な行為を行うものは、総じてそういった知識が無い為に簡易犯罪(己の肉体さえあれば実行出来る犯罪)を実行する。

しかし、キャッシュレス化した社会では、簡易犯罪を行っても利益を得ることが出来ない為、やるだけ無駄に終わるので、自然と減少する。

技術と知識の習得の難易度が高い為、サイバー犯罪へ移行出来る者はごく少数となるので、犯罪が減少する。

現金目当てでは無く、貴金属や宝石などの物的価値がある物に対しての盗みは、キャッシュレス化すると共に、セキュリティの強化やWeb上での転売防止措置の強化がとられる事になる。

キャッシュフローが明確になる

お金の流れが明確化される事で、マネーロンダリングや脱税、反社会組織(テロリスト)、特殊詐欺の組織等の犯罪への発見や対処がしやすくなる。

また、利用者側としては銀行とマネー管理アプリとの連携で、自動家計簿や支出と収入の明確化により、お金の管理がしやすくなる。

決済方法の確立による、労働への影響。

スーパーやコンビ二を含めた小売店などでのレジ業務・店舗閉店後の会計業務などの効率が大幅に解消され労働者の負担が減る。

現金支給の会社が無くなれば、給料遅延・未払い問題等も明確化出来る為、ブラック企業への対策も容易になる。

決済方法の確立による、企業の人件費削減、効率化

企業側では人件費の削減により、より多様な業務を遂行する事が出来る。
この場合の人件費削減では、レジ・会計業務に費やしている人材を別の業務に当てることが出来るという点。

その為、雇用していた人間をただ解雇するのではなく、別業務を遂行して貰う事で、企業全体の効率化にもなり、一人ひとりの人材の負担が軽減される事となり、残業時間の減少などに効果が期待できる。

日常での店舗利用時のロス時間が減る

現状ではキャッシュレス化が浸透していないので、キャッシュレス対応の店舗でも長蛇の列が見られる事があるが、キャッシュレス化が浸透していけば、利用者もスムーズに決済を行い、今後長蛇の列は解消される事になる。

財布を落としても資産が減る危険が減少する

現金を財布に入れた状態で財布を無くしたり、落としたりすると、その後財布が戻ってきても、中に現金が入っている事はそうそう無い。

現金を持たずカードだけの場合は、利用の一時停止をネットですればカードが財布に入っていても悪意のある利用をされる事を防げる。

カードではなく、アプリのみの使用であれば、スマホに十分なセキュリティ(諮問認証やパスワードロック)を施していれば、盗難や紛失時に資産を無くす恐れが無くなる。

お金のやりとりがスムーズになる

アプリやネットバンクの利用等により休日・祝日問わず24時間お金のやり取りが出来るようになる。

緊急時などにリアルタイムで即時反映されるようになれば、なんらかしらの事情でお金が必要な時に助かる事がある。

キャッシュレス化のデメリット

  • 統一されない電子マネーの乱立(電子マネー戦国時代)
  • 災害時・停電時等に機能しない恐れがある。
  • 企業利益ばかりを求める企業によるリストラの危険
  • 情報漏えいやハッキング等による被害の懸念
  • サイバー犯罪の巧妙化

統一されない電子マネーの乱立(電子マネー戦国時代)

現在でも様々な電子マネーカードやポイント等が存在する、何故このように多数のカードやポイントが存在するかというと、各企業が消費者のお金の流れを把握し、その得られた情報をマーケティングに活用する為である。

何歳の、どこに住んでいる、誰が、いつ、どこで、どれくらいの価格の、どんな商品・サービスを購入したか。これらが分かれば次にプッシュする企画や商品のターゲティング選定や販促活動に高い効果を見込み、効率よく運用できるからだ。

ポイントはあくまでも利用者の獲得目的で作られたものも多いが、そのポイント利用方法もマーケティングの材料になりえる。

その為、利用者数1位とかいう名目があれば、あとは販促活動に力をいれずとも自然と利用者数が増えて行くので、各企業や提携企業がこぞって自社の電子マネーを作り、会員獲得等の行為に力を入れている。

キャッシュレス化が進めば、我こそが利用率1位の電子マネーカードを作らんと更に新しいカードが増えていく事が予想できる。

災害時・停電時等に機能しない恐れがある

地震大国である日本であるがゆえの問題。
災害時に停電する事で、電気系統の一切が使えなくなると、勿論電子マネー決済は使えない。

南海トラフ巨大地震や首都直下型地震など、今後起こるであろう地震が気象庁より予測されているが、各企業がその対策に充分対応出来ていない状況だ。

そういった対策の一つとして、自家発電用の機器の設置が急務だとは思うが、現状ではあまり自家発電設備が充実されているとは言えない。

企業側としても莫大な設備投資金額になる為、明日起こるのか50年後に起こるのか分からない災害に対してコストをかけたくないのかもしれない。

企業利益ばかりを求める企業によるリストラの危険

メリットにもあるキャッシュレス化で業務の効率化、人件費の削減が行えた企業の中には、人材を違う業務に当たらせて企業全体の効率化に回さない企業も出てくるだろう。

そのまま削減出来た人件費を企業としての利益にあて、既存の社員や従業員に分配するのはまだ理解できるが、それすらせずに全ての利益を企業もしくは役員のみへの分配する事が懸念される。

それによる失業率の上昇、社員やアルバイト含めた就職難が予想される。

情報漏えいやハッキング等による被害の懸念

ネット上で情報を取り扱う為、個人情報を大量に保管しているサーバーが突破された時が怖い。大手企業のセキュリティ1つを突破するだけで、非常に多くの人のクレジットカードをはじめとする個人情報が手に入るからだ。

アナログな犯罪手法は減少するが、キャッシュレス化が進み、利用者が増える事でサイバー犯罪は今後増えていくのは間違いないだろう。

サイバー犯罪の巧妙化

プログラミング教育必修化もそうですが、昨今Web上でも安価に学習できるプログラミング教育の学習サービスが増えてきており、IT知識やプログラミング言語を習得していく人が増えています。

IT人材が増えていくと予想が出来ますが、犯罪者側に回るIT人材が増える事になるのも懸念点の一つです。

ただ現状、セキュリティ対策に充分な学習サービスを提供している所は少ないので、そういった面で金銭を扱うWebサービス等を開発された時、セキュリティ対策専門の人材が居なければ、かなり危険な事だと言えるでしょう。

現にブロックチェーン技術で発展したビットコインや各種仮想通貨の取り扱い取引所では、知名度のある大手でもハッキング被害を受けています。

国内で言えば、Coincheckの時価約580億円の5億2630万10XEMを流出。
時価約70億円相当のビットコイン、ビットコインキャッシュ、モナコインが盗難されたZaif等が思い浮かべられます。

ハッキングだけが危険ではなく、PCやスマホにウイルスを仕掛けるサイトや、新手のフィッシング詐欺サイト等も増えていくと予想されます。

余談

この間近所の某有名チェーン店の牛丼屋で、牛丼を食べた時、普段からカードしか持ち歩いていないので、会計の際に『VISA・デビット決済は出来ないんです。』と言われて、コンビ二まで現金引き出しに行った事がありました。

この場合、食べる前に決済方法の確認をしていない私が悪いのですが、まさか『全国に数多く店舗があり、TVでCMも流している企業』がキャッシュレス対応していないなんて思っても見ませんでした。

確かにVISAの場合決済手数料が店舗負担になるので、導入したくない気持ちは分かりますが、今の世の中キャッシュレス対応(複数の決済サービス)していないと顧客を逃す事になります。

その店舗特有の電子マネーカードはあるのですが、結局そのカードにお金を入れるには現金を持ってきてチャージせねばならないので、手間が掛かるんですよね。

手間を掛けたくないからキャッシュレスにしているのに、手間を掛けさせられる。このような仕組みにしている店舗は、残念ながらもう利用していません。私と同じようにキャッシュレス対応していない店舗を利用していないという方もそれなりに居るようです。

企業側からしたら機会損失ですね。

国がキャッシュレス化社会に向けて動き出しているので、今後流れとしては現金派の方も、キャッシュレス化に対応して慣れていく事を推奨します。